特定技能という選択肢

特定技能とは在留資格の一つであり、特定技能1号と2号があります。就業可能な特定産業は以下の16分野から構成されています。

①介護 ②ビルクリーニング ③工業製品製造業 ④建設⑤造船・船用工業 ⑥自動車整備 ⑦航空 ⑧宿泊 ⑨自動車運送業 ⑩鉄道 ⑪農業 ⑫漁業 ⑬飲食料品製造業 ⑭外食業 ⑮林業 ⑯木材産業

・特定技能1号は前記16分野すべてで受け入れが可能。

 特定技能2号は黄色字11分野で受け入れが可能です。

・特定技能1号は最大5年の就労が可能であり、特定技能2は無期限です。

 但し在留期間と契約期間は同じではないので注意が必要です。

・特定技能で働く外国人労働者には日本人労働者と同等以上の待遇が必要となります。

製造業での事例

企業情報 ; 特許を持つパーツメーカー
企業所在地; 関東地方
従業員規模; 800名 (内特定技能労働者20名)
導入経緯 ; 新卒採用が上手くいかず、社員の高齢化が深刻
       な問題に。在フィリピン工業専門学校OBを2名
       採用。即戦力として期待を上回る成果を出す
       ことに成功。以降毎年4名前後を新卒枠として
       採用継続中です。
現  在 ; 本工場側に社宅を設置し、日本人・フィリピン
       人区別なく入居しています。創業祭にはフィリ
       ピン文化発表会が催され、地域の小中高生を招
       き交流を図っています。

介護業での事例

企業情報 ; 近畿圏を中心に展開する介護付き老人ホーム
企業所在地; 関西地方
従業員規模; 1,200名 (内特定技能労働者29名)
導入経緯 ; 慢性的な人手不足から特定技能労働者の雇用を
       決断。在フィリピン介護職専門カレッジから
       OB/OG3名を採用しました。内一人は日本での
       就労経験があったため、両国従業員の調整役と
       して活躍。 入居者からの評判も良く今や施設の
       顔となって元気に活躍しています。
現  在 ; 他企業から独身寮を買い取り、各施設のハブと
       して機能しています。今はOB/OGの採用が主流
       となっていますが、2026年度から新卒介護
       士が入社する予定です。

ホテル/旅館業での事例

企業情報 ; 老舗温泉旅館
企業所在地; 関東地方
従業員規模; 40名 (内特定技能労働者5名)
導入経緯 ; 社員の高齢化と人手不足の影響で廃業も視野に
       入れていた最中、特定技能労働者の存在を知り
       フィリピンの観光カレッジを訪問しました。そ
       こで学ぶ学生の真剣さに採用を決断。日本人の
       血を引くOGの採用を皮切りに5名の特定技能労
       働者が活躍しています。
現  在 ; 昨今のインバウンド需要もあり、フィリピン人
       スタッフは堪能な英語を駆使しリピーター獲得
       に努めています。またSNSを駆使した戦術も海
       外を含めて評判を呼んでいます。

その他の事例

企業情報 ; 宅配食製造配送
企業所在地; 関東地方
従業員規模; 80名 (内特定技能労働者2名)
導入経緯 ; アルバイト・パート社員が定着せず、社員の負
       担増が近々の課題でした。外国人労働者の採用
       を視野に入れ研究をしたのですが、技能実習生
       の不祥事に二の足を踏んでいました。まさにそ
       のタイミングで特定技能の法改正が施行され、
       このチャンスを逃すまいと採用に踏み切りまし
       た。
現  在 ; 2名のフィリピン人スタッフが毎日正確な作業
       を遂行しています。まだ配送業務は致しており
       ませんが、製造の現場ではアルバイト・パート
       社員を指導する立場になりました。